社員ブログ   ブラ旅47

こんにちは、ブランディング企画室です。
「ブラ旅47」、今週もはじまります!

※このブログは今年2月に取材したものです

 

◆◇◆◇ブラ旅47とは◆◇◆◇
大和グラビヤのブランディング企画室が日本全国47都道府県の旅に出る企画、
略して「ブラ旅47」!
全国各地の食べ物やお土産や工芸品・・・それらを作っている人たちとの出会いや、

その体験で感じたことや得たものを旅の記録として綴っています。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

というわけで第22回目の旅は、三重県!

 

三重県は意外に広く、どこに行こうかかなり迷ってしまいました。
そこで長野県のブラ旅のときにお世話になった、未空うるし工芸の岩原さんに相談したところ、
伊賀にものづくりの職人さんがいるとお伺いし今回決まりました!

 

三重県伊賀市は、名古屋から車で約1時間半とちょっとしたドライブに最適です。
伊賀忍者が有名で、市内にある伊賀流忍者博物館には何回も訪れたことがありますが、
実演を交えて忍者屋敷の説明をしてもらえるのが臨場感があって面白いです!

 

忍者市駅

 

なんと駅名も忍者市駅という忍者っぷり!(平成31年2月22日に伊賀鉄道上野市駅の愛称になったそうです)
そして市内観光も程々に今回の目的地「松島組紐店」さんへ!

 

外観

情緒溢れる素敵な建物です…!

 

今回お話を伺ったのは松島組紐店4代目の松島康貴さんです。

 

松島さん
 

宜しくお願い致します!

 
 

1.松島組紐店について
 
組紐の歴史は奈良時代から長く続いていますが、松島組紐店としての歴史はそこまで長くないんですよ。
と康貴さん。
 
現在は3代目のお父様が代表を勤められている松島組紐店。2代目としてお祖父様、4代目としてお兄様と
康貴さんも活躍されています。
代々組紐づくりはされていたとのことですが、松島組紐店として始められたのは御曾祖父様からだそうです。
 
heya
 
そして今回お伺いした「くみひもstudio荒木」は工房兼店舗として10年前に購入したもの。
普段は別の場所で自宅兼工房としてお仕事されることが多いそうですが、こちらは「見せる」ための場所。
時代も変わり色々な方に見ていていただく機会が増えたので、工房や作業風景の見学、お客様との商談などが
できる場所が必要だと考えられたそう。
 
確かにこの建物は組紐づくりにふさわしい雰囲気で心が少し踊りますね…!
「見せる」ことの大切さを感じます。
 
2.組紐ができるまで
 
組紐の作業風景を見せていただけませんか?と康貴さんに尋ねたところ、
「まずはこちらをご覧ください!」
と説明パネルが登場し、組紐講座が始まりました。
 
パネル
 
こ…これはわかりやすい図…!
 
「組紐と聞くと、まずは高台や丸台で組紐を組んでいるイメージが強いかと思います。
 
メディアに取り上げていただく際もそこが強調されますし、絵になる部分なのですが
実際には様々な工程を経て組紐は作られます。なかなか伝えるのは難しいですね。」
 
パネル染色
 
1)糸割り…注文があった時点でまずは必要な量の絹糸を購入し計ります。
 
2)染色…染料に糸を浸して染色します。この工程は染め屋さんにお願いしています。
 
3)糸繰り…糸の束は1本で繋がっている為、糸繰りが必要になります。
 
「染色した糸を小枠という巻き芯に巻き取る作業で、こちらは糸繰り屋さんにお願いしています。
染め屋さんも糸繰り屋さんも高齢の方がやられているので、いずれは自分たちでやっていかなくては
いけなくなる作業です。」
 
パネル経尺
 
糸くり
 
4)経尺(へいじゃく)…小枠に巻き上げた糸を必要な太さ、長さに調整します。
 
5)撚(よ)りかけ…撚りをかけてねじることで数十本の糸が束になり、まとまります。
この工程がないと糸の束がばらけてしまい作業しづらくなってしまうそう。
 
パネル組紐
 
5)組紐(組み作業)
ここで初めて高台、丸台が登場します。
 
高台脇
 
ぶら下がっているのは玉とよばれるもの。
主に作られている帯締めは高台を用いて制作するのに、1本の完成まで早い人で3日かかるそう。
組子(くみこ)さんと呼ばれる内職の方にお願いして組んでいただいてるとのこと。
 
高台と松島さん
 
作業を拝見したのですが、高台で組紐の紐を通すたびに棒で叩いていました。
たたき方やたたき加減が難しく、加減を誤るとボコボコになってしまったり、
左右のバランスが悪くなり紐の見た目が変わってしまうそう。
 
説明書
 
柄を作るための説明書も見せていただきました。
 
??????
 
文字にすると難しそうですね…

 

丸台02
 
こちらが丸台です。
高台でしかできない組み方もありますが、ある程度はこの丸台でできるそうです。
平たいものや丸いものや断面が長方形のものまで万能な台です。
そして高台は木の棒でたたいて整えることができますが、こちらは綺麗に揃えて動かさないと
綺麗に仕上がらない為意外と難しいそうです。
 


 
丸台はお祭りやイベント等のワークショップで体験を行っているとのこと。
映画「君の名は。」がきっかけで若い人に多く来ていただけるそうですが、
特に子どもが親子連れで来ることが多いとのこと。
 
「子どものほうが考え方が柔軟なので覚えるのが早いんですよ」と康貴さん。
 
私は今回特に体験をしていないのですが、話を伺っていて難しそう…と
思っていたのでハッとさせられました。
 
きかい

 

機械
 
組紐の機械も見せていただけました。

機械が動くとグルグル回りだして、すごい早さで組紐を組んでいきます。

その光景が面白くて少し興奮してしまいました。

 

「手組と機械の両方がありますが、機械と言うとイメージが下がってしまいます。

手組だからいい、みたいなイメージですね。

でも長い紐を確実に間違いなく作ることができるし、柄も様々な表現ができる。
手組だと柔らかさが出て、機械だとかっちりとした仕上がりになる。
どちらも良いところがありますが、僕は機械の仕上がりが好きですね」
 
作りたいもの、表現したいものを作るなら、手組も機械もあまり関係ないのかなと感じました。

 
 

3.組紐職人になったきっかけ・経緯
 
IMG_2001
 
もともと面白そうだなと興味はありましたね。と康貴さん。
 
しかし組紐は帯締めなどが主で、幼少の頃は和装の良さが分からず特に継ぐという思いはなかったそう。
高校卒業後はデザインの専門学校へ。
 
「ものづくりを学ぶ中で、いずれは家に入り組紐をやっていきたいと思うようになりました。
でもその頃も後を継ぎたいというよりは、ものづくりやデザインの勉強をしたことを自分なりに
組紐に活かしていきたい、という思いが強かったですね。」
 
その後はデザイン会社に就職し、焼き物や木工などのデザイン・販売に携わりました。
そして1年程で退職、松島組紐店へ。
現在はお兄様とともにお父様から学びながら組紐の仕事に取り組まれています。
 
スクリーンショット 2020-03-11 14.51.33

 
実際に入ってみてどうでしたかという問いには
 
「なんとなくは想像できていたんですが、思っていた以上に仕事量が多かったですね。
外から見ているだけでは分からなかったが作業する工程も多く内容も複雑で。
作業を覚えたりすることも大変でしたが、面白いとも感じました。」
 
将来お兄様とおふたりで松島工務店を担っていくことについては、
 
「染色や糸繰り等の工程をいずれは自分たちでやっていかなくてはいけないので、分担できるのは
心強いですね。いずれはふたりの家族ができることでもっと稼がないと!と思うので、今やっている
ことだけでなく新しいことに挑戦していきたいです。」と語ってくださいました。

 
 

4.組紐の作品

 
サイトで拝見した、組紐でつくられた自転車の作品についても伺ってみました。
 
自転車02
 
専門学校の卒業制作で作ったものなんですが、この作品がきっかけで新しいことに挑戦している
というアピールができていると感じます。と康貴さん。
 
組紐の仕事をしていく中で、色々とお話をいただいたり選んでもらえるきっかけになっているそう。
実際に拝見しましたが、卒業制作とは思えないくらいレベルの高い作品で、組紐の新しい可能性を感じました。
 
「新しい作品を制作する上で、組紐を使って色々な素材を試して、いかに自分のやりたいことが
表現できるのかを考えることがすごく勉強になっていますね」
 
他にも組紐を使った時計のベルトを見せていただきました。
 
時計
 
こちらはLEXUS NEW TAKUMI PROJECTに参加された時に企画・制作したそうです。
(LEXUS NEW TAKUMI PROJECT…全国の若手の匠が集まりテーマに沿ったプロダクトを
制作し広く発信するプロジェクト)

 
最初に制作したものからかなり改良を加えたそう。組紐の美しさと時計がマッチしていて素敵です…!
 
 

5.今後の展望

 
組紐を紹介していくブランドを作りました。と康貴さん。
 
envu 縁舞(Instagram)
「魅える組紐」をコンセプトに展開されるそうです。
 
スクリーンショット 2020-03-11 15.07.50
 
envu_im

 

これまでは自転車やランプシェードといった組紐がメインになる作品を考えて作られていたが、
本来組紐は帯締めとして着物を引き立てる名脇役。
メインというより脇役を引き立てるものを作った方が組紐にふさわしいのではないか。
と考えるようになったそうです。
それからは色々と発想が湧いてきたとのこと。
 

お客様からも、パッケージに紐を使用したい、雑貨などのアクセントに使いたい、家具の一部分にあしらいたい、
といった要望が出てきたこともあり、今後はそういった脇役での使い方を推していこうと進められています。
 

「やはり伝統工芸、帯締めというイメージが強いのでそれを払拭していければ…
こんな使い方もありますよ、と提案して広めることで気軽に使っていただいたり、コラボして新しいものを
作っていければいいですね。
 

他には、伊賀市でものづくりをしている若い世代で集まって話す機会は増えました。
東京でアパレル関係をしていて伊賀でもお土産物の制作されてる方と、アパレルに組紐を使ったりといった話は出ていますが、今後はそのような違うジャンルの人とももっと交流を持って伊賀を盛り上げていければと思います。」

 

楽しみにしています!とお伝えしたところ

「楽しみにしていてください!」とのこと。頼もしいです!

康貴さん、すごく丁寧に色々とお話してくださりありがとうございました!
 
 

6.旅を終えて
 
黒電話

インテリアかと思いきや実際に使われていた黒電話。雰囲気があっていいですね。

 

色々なお話をお聞きできてさらに作業工程まで見せていただけてとても勉強になりました。

高齢化が進んでいる組紐産業。

若い世代の方の新しい挑戦に頼もしさと希望を感じました。

日常生活に組紐を使用した服飾や雑貨や家具…素敵だと思います!

 

次回伊賀に伺った際には組紐体験をしてみたいと思いました。

 

——-取材協力——————————————————————–
松島組紐店

くみひも studio 荒木
〒518-0818伊賀市荒木 160 番地
Mobile 090-5879-8002
E-mail ichihimo@ict.ne.jp

伊賀くみひも製造・卸 松島組紐店
〒518-0837 三重県伊賀市緑ケ丘西町2393−13
Tel 0595-21-1137
Fax 0595-21-8061
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そして最後にお知らせです。
 
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ブラ旅47の企画を一旦休止とさせていただくことになりました。
現時点では、2020年7月末頃までを目途に、ブログ並びにInstagramでの「ブラ旅47」連載を休止いたします。
 
次週からは代わりに「ブラ旅番外編」をお届け致します。
宜しくお願い致します!



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