社員ブログ   ブラ旅47

こんにちは!ブランディング企画室です。

ハロウィンも終わり、早くもクリスマスムードが漂いはじめていますね。

今年もあと1か月半・・・。

悔いの無いように過ごしたいと思います。

そして今回も行ってまいりました「ブラ旅47」!

 

★ブラ旅47とはーーー・・・

 

大和グラビヤのブランディング企画室が日本全国47都道府県の旅に出る企画、
略して「ブラ旅47」!

全国各地の食べ物やお土産や工芸品・・・それらを作っている人たちとの出会いや、
その体験で感じたことや得たものを旅の記録として綴っています。

 

 

今回私が訪れたのは…島根県!

 

先週更新の鳥取と合わせて行ってきました。

県営名古屋空港(小牧)から飛行機でちょうど1時間。

出雲縁結び空港から車で20分程の距離に、今回の旅の目的地があります。

 

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ここは出雲市にある「出西窯」。

 

出西窯は、昭和22年に5人の青年が協働して始まった陶窯です。

民藝運動で知られる柳宗悦をはじめとする民藝メンバーから指導を受け、古くから陶芸が行われてきた島根の中でも屈指の窯元となっています。

 

現地に着くと、広い敷地に建物がいくつかあり、工房・ショップ・カフェなど充実していて、平日にも関わらずお客さんがたくさんいらっしゃっていました。

広い駐車場には遠方からの車や、レンタカーが多く並んでいて、観光スポットとしての人気の高さも伺えます。

 

今回、販売担当の磯田さんに出西窯の特徴や工房の様子を紹介していただきました。

 

 

 

1. 作品

 

敷地内にはいろいろ建物があるのですが、まず訪れたのはこちらの「くらしの陶・無自性館(むじしょうかん)」。

 

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(展示・販売を行っている「くらしの陶・無自性館」 9:30~18:00 火曜定休)

 

下屋が立派で、古民家のような素敵な外観です。

そして、壁や天井の木目が美しい店内には、作品がずらっと陳列されています。

 

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もともと米蔵だった建物を移転、増改築したもので、

下の写真にある天井の大きな梁は、そのときのものをそのまま使っているそうです。

 

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さて、さっそく磯田さんに、出西窯の特徴を教えていただきました。

 

「粘土からうちで作っています。釉薬(ゆうやく)もです。原料もなるべく島根のものを使っています。」

 

★釉薬とは…

素焼きの陶磁器の表面にかけるケイ酸塩化合物。焼成するとガラス質になり空気や水を通すのを防ぎ,耐食性や強度が増すとともに器に美しい光沢を与える。釉(うわぐすり)。 (Weblioより)

 

粘土・釉薬を他から買っているところが多い中、出西窯では原土から粘土を作る工程を一貫して行っているそうです。

 

島根の地に根付いた伝統工芸であることを改めて知りました。

 

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(工房の入口に並べられた釉薬)

 

また、見た目に分かる特徴も。

 

「色数が多いです。自家製の釉薬でこれだけの色数が出せるのが特徴ですね。」

 

磯田さんが仰るように、この無自性館には様々な色の陶器が並んでいます。

中でも人気なのが青。

「出西ブルー」とも呼ばれ、深い色合いに光が反射し、鮮やかな青が目を引きます。

 

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(「出西ブルー」と呼ばれる人気の青い陶磁器。店内でも多く陳列されていました。)

 

出西ブルーの焼き物は、縁の方の色が薄くなっている部分が虹色のようにも見えて、とても綺麗です。

 

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他にもいろんな色が並び、見ているだけでも楽しいです。

(ちなみに磯田さんは黒が好きだそうです。)

 

磯田さんは出西窯の器について、

「日常使いの器をつくっています。使いやすく、丈夫でシンプルです。」と仰います。

確かに、お店に並ぶ器を手に取ってみると、どれも程よい厚みがあって手にしっかりとなじみます。

普段の生活に溶け込みながら毎日を彩り、買ったその日から使えるような実用的な器ばかりです。

 

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こんな鮮やかな色の大皿でパスタなんて盛り付けたら、きっとすっごくお洒落で美味しそうに見えますよね。

普段使うものを少し良いものにするだけで、毎日の暮らしが煌めきそうです。

値段もリーズナブルなものが多く、気軽に買い求めることができます。

 

また、私が訪れた10月某日は、2階では期間限定の展示販売「いずも手仕事市」が行われていました。

陶器はもちろん、人形や面や和紙、染め物などが展示販売されていて、じっと見入ってしまうような繊細なものから、思わずフフッと笑ってしまうような可愛らしい動物を模した置物などがありました。

 

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2. 工房

 

無自性館の隣にある工房にもお邪魔しました!

工房の前には、乾燥中の焼き物がずらっと並んでいて圧巻です。

そしてこの工房には、少し珍しい特徴があります。

 

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「この工房はフルオープンです。なかなか珍しいと思います。」

そう!磯田さんの仰るように、この工房は常に開放されていて、営業時間内であれば誰でも自由に見学することできるんです。(団体の方は要予約)

 

まず案内していただいたのが、この工房の見どころでもある大きな登り窯です。

 

★登り窯とは…

陶磁器焼成用の窯の一。丘などの傾斜面に設ける連房式の窯で、最下部に焚き口、最上部に煙出しがある。その間に焼成用の室が幾室も設けられ、上に行くほど余熱の効果で早く焼成できる。(weblioより)

 

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出西窯には、登り窯・電気釜・灯油窯の3つの窯がありますが、この登り窯が一番大きいそうです。

こちらの登り窯は昭和41年に完成したもの。

現在も3か月に1回炊いていて、タイミングが合えば窯焚きや窯出しの作業も見学できます。

中は6室あって、なんと3000個以上も焼き物が入るそうでびっくり!!

このような大きな登り窯を使っているところは現在では少なくなっており、島根県内でも数軒だとか。

 

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(窯の温度は1200度以上…!)

 

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(窯の中を覗くこともできます。)

 

また、こちらの工房では実際に陶工の方が作業している様子を間近で見ることができます。

現在、12名・20代~50代まで様々な年代の陶工の方がいらっしゃいます。

 

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意外だったのが、作業をしている陶工の方に「これは何をつくっているんですか?」と話しかけると、とても丁寧に答えていただけること。

 

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例えば、こちらは素焼きをした器の底の部分に、蝋を塗っている様子。

この後の工程で釉薬を付けるのですが、その際に釉薬が付かないようにしたい部分に、撥水材として蝋を塗るんだそうです。

器の底に釉薬が付いてしまうと、窯に置いたときに底がくっついてしまうためだと教えていただきました。

確かに、家にあるお茶碗を思い出しても、底の部分だけ色が塗られていないですよね。

ものづくりは知らない事ばかりでワクワクします。

 

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こちらは、釉薬を付ける作業。

底だけ残して釉薬に浸していく作業が本当に見事で、ずっと見ていられます。

 

なかなか、こうした職人の方々の作業を間近で見られることも、ましてや直接気軽にお話ができることも無いので、とっても貴重な体験でした。

伝統工芸というと少し格式高い存在だと思いがちでしたが、こうしていると、日常に寄り添った、とても身近なものに感じられます。

 

 

 

3. 出西窯をもっと楽しむ

 

出西窯の敷地内には、おしゃれなベーカリーカフェもあります。

それがこちらの「ル コションドール出西」。

洗練されたデザインの外観がとっても素敵。

 

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(「ル コションドール出西」9:30~17:30 火曜/第2・代4水曜定休)

 

なんとここでは、先ほど見学させていただいた工房で作られた器で食事が出来るのです!!

そんな素敵な…!!

 

ワクワクしながら店内に入ると、右手にはたくさんのパンが並び、左手は開放感のあるカフェになっていました。

パン屋さんって幸せな気分になれるので大好きです。

そしてここは、とにかく種類が多くって、全部美味しそうなんです!

迷いに迷って、3つほど購入させていただきました。

 

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実は、前回のブラ旅47で訪問した、鳥取県の本屋「汽水空港」のモリさんご夫婦より、

「ここのパンはすっごく美味しいから絶対食べてください!」とお勧めいただておりました。

絶対買うぞ!と思って来ていたので、無事購入出来てほっこり。

後でいただいたのですが、どれも珍しいのに美味しくて、最高でした。

(あまりに美味しかったので写真を撮り忘れる失態を犯しました…)

 

ル コションドールでは、パンを選んで店内でいただくこともできますが、

私はパンはお持ち帰りして、こちらではカフェメニューの方をいただきました。

選んだのは、「鶏キーマカレー」!

 

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(カレープレート〈1種 スパイシ―鶏キ―マ〉*サラダ付き 税抜 ¥980)

 

よく見ると、カレーのお皿も、サラダのお皿も、出西窯の器なんです!

やはり器に料理が映えてより一層美味しそうに見えますし、実際すごく美味しかったです。

他にも、デザートやドリンクも充実していたので、ちょっとしたお茶にもぴったりです。

工房を見学した後は、ぜひ寄ってみてください。

 

また、無自性館の前の道を挟んだ向かいには、服や雑貨のセレクトショップ「Bshop」もあります。

こちらは落ち着いた平屋で、道沿いに生える柳やその奥の木々の風景によく馴染んでいました。

 

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中に入ってみると、高い木目の天井が印象的な、温かみのある空間です。

 

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ベーシックで使いやすく、質の良いものが揃います。

そのコンセプトは、出西窯の器とも通ずるかもしれません。

出西窯に訪れた際は、ぜひ合わせてこちらのBshopも楽しんでいただきたいです。

 

 

 

4. 旅を終えて

 

鳥取に続き、島根もとっても充実した時間を過ごすことが出来ました。

今回、伝統工芸品の窯元を取材させていただきましたが、

伝統でありながら新しさを感じさせる魅せ方に感動しました。

どうしても伝統工芸って、内に閉じた、何というか格式ばっているイメージがあったのですが、

こちらの出西窯では、工房もフルオープンですし、陶工の方と気軽にお話ができますし、カフェもあったりしてカジュアルな気持ちで伝統工芸に触れることができます。

一方で、仕事やものづくりに対する矜持や強い信念も、随所に感じます。

見たい!知りたい!と思わせる仕掛けがたくさんあって、素敵だと思いました。

 

 

ぜひ、島根に行く際は出西窯に訪れてみてください。

日常を彩る器が手に入るだけでなく、楽しみながら伝統に触れることのできる場所です。

 

 

さて、次週…岐阜県です!!

おしゃれな牛乳瓶に一目惚れ。牛のいない牧場!?

11月22日(金)更新予定です。お楽しみに♪

 

 

——-取材協力————————————————

出西窯

〒699-0612

島根県出雲市斐川町出西3368

TEL  (0853)72-0239

FAX  (0853)72-9219

「くらしの陶・無自性館」

9:30~18:00 火曜定休(祝日は営業)

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