社員ブログ   ブラ旅47

こんにちは!人材企画室です。

10月半ば、美濃市蕨生(わらび)という所まである方を訪ねに行ってまいりました。

この日を大変楽しみにしておりました…!

 

 

1.里山テーマパーク「ワラビーランド」の実現

 

私たちが訪れたのは、美濃市蕨生にいらっしゃる手すき和紙職人の千田崇統さんです。

千田さんは12年前に美濃に移住され、11年前から手すき和紙職人をされています。

大光工房で手すき和紙職人をされていた、伝統工芸士である市原達雄さんが後継者を探していたことがきっかけで、手すき和紙の道に進んだそうです。

 

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ワラビーランド母屋

 

千田さんには、今多くの仲間と進めているプロジェクトがあります。

それは、「ワラビーランド」の実現。

 

 

ワラビーランドとは

現在千田さんたちが実現を目指している、蕨生の古民家や建物を活用した、紙すきはもちろん山や川に囲まれた自然の中での暮らしが体験できる施設のこと。
コンセプトは「和紙にまみれる里山テーマパーク」。

古民家を修繕し宿泊施設としてオープンすることを目的に、クラウドファンディングで資金を集めています。
「伝統工芸と現代アート。過去と未来をつなぎ、お互いが尊敬しあえる空間をつくりたい」という想いが込められたプロジェクトです。

詳細はコチラ⇒和紙にまみれる里山テーマパーク「ワラビーランド」を作りたい!

 

 ★11月1日追記:無事、目標額を達成しましたー!!!おめでとうございます!!!

 

その夢に深く共感した弊社は、微力ながらクラウドファンディングで支援をさせていただくことになりました。

個人的にもとってもワクワクするプロジェクトです…!

紙すき体験もやってみたいし、自然の中でデジタルデトックスもしてみたい…。

そして今回いただいたご縁には、実は弊社のルーツが深く関わっています。

 

 

 

2.大和グラビヤのルーツ「蕨生」

 

弊社は主にプラスチックフィルムを用いた軟包装資材(パッケージ)の印刷・加工製造を行っている会社です。

食品や化粧品など、様々なものを包むパッケージを日々製造しています。

そんな弊社と和紙との関係とは…?

 

大和グラビヤの創業者 鈴木松二郎は、美濃市蕨生の出身で、もともとは和紙の行商人をしていました。

戦後に事業を立ち上げようとしたとき、和紙が身近だったことから、紙を使った仕事をやろうと考えたそうです。

キャラメル等の菓子を包む時に使用する、ロウ引き紙(ワックスペーパー)や、菓子を入れる紙器の製造を、当時駄菓子王国と呼ばれ、菓子の産業が盛んだった名古屋で始めました。

ちなみにこの時の設立社名は「美濃紙共栄」。「美濃」の名前が入っています。

これが大和グラビヤの前身となります。

 

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1949年設立当時

 

ちなみに、2年ほど前に大和グラビヤの歴史を巡る企画で、美濃市を訪れブログで紹介したことがあります。

この時には、まさかクラウドファンディングを通じて蕨生を支援させていただけるなんて思いもしませんでした。

ご縁って不思議ですね。

よければぜひご覧ください♪

「大和グラビヤと美濃」

 

 

 

3.手すき和紙工房と作品見学

 

千田さんに、和紙工房と母屋を案内していただきました。

こちらの工房は、師匠である市原達雄さんが使われていたのを千田さんが引き継いだそうです。

工房には、和紙を作るための道具や機械がたくさんありました。

 

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煮た楮から不純物を根気よく取り除く「塵とり」

 

昔は川でこの作業をやっていたそうです。

不純物が残ったままだと白い紙になった時に目立つため、繊維が固くなったところやゴミなどを根気よく取り除いていきます。

この工程が一番時間がかかるとの事。

 

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塵とり後の楮を入れて繊維を捌くための機械(ビーター)

 

ビーターが無かった昔は、なんと木槌を使ってひたすら叩いていたそうです。

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塵とり後の原料をほぐすために使う木槌

 

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紙をすくところ

 

紙すきに欠かせない道具の1つに、簀(す)と桁(けた)※があります。

※すだれ状の「簀」と紙すきの木枠「桁」。この2つをセットして和紙をすきます。

昔はたくさん居た簀桁の職人さんも、今は全国に数名しかいないそうです。

その数名に日本中の紙すきの産地から注文が集まるため、時には修理に1年も待つことがあるようです。

 

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落水紙をすくところ

 

落水紙とは、手漉きの和紙を漉いて、その上に型を置き、シャワーのように水をかけることで模様をつけたものです。

昔は針金をはんだごてで加工して型を作っていたそうですが、今はレーザーカッターなどで気軽に色々な型を作れるようになったそうです。

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落水紙の障子。光が透けて綺麗です。

 

続いてこちらのお部屋は、壁、天井、床のみならず、机や椅子、カウンターに至るまで、全て和紙が貼られた、『上から下まで丸っと和紙の部屋』です。

実際に見ると、それぞれの場所で和紙の凹凸や質感が全然違っていて、とってもかっこよかったです。
部屋一面和紙で作られた「上から下まで丸っと和紙の部屋」

部屋一面和紙で作られた『上から下まで丸っと和紙の部屋』

 

また、作品の中には、光にかざすことでまったく違う顔を見せるものもありました。

こちらの作品は、床に置いた状態では白っぽく見えますが…

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光に翳すと…

②光にかざすと、柄が現れました…!

なんと!柄が浮かび上がりました…!色も茶っぽく見えますね。

中に土やおが粉などの素材をすき込んであるため、光にかざした時にだけ模様が浮かび上がるそうです。

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こちらは、先述した塵とり後の原料をほぐすのに使う木槌のギザギザした形がそのまま和紙の模様になっている作品です。IMG_5370IMG_5345

花びらのようにも、あるいは色とりどりの貝殻のようにも見えます。

着物の柄みたいで綺麗です。

 

この他にも、たくさんの作品を見学させていただきましたが、

色使いが繊細で綺麗な作品もあれば、骨太で力強いクールな作品もありました。

どれも共通して和紙独特の温かみや風合いがあり、機能的な実用品のみならず、アートとしての和紙の大きな可能性を感じました。

 

 

4.心のこもった薫子さんのご飯

 

見学後には、千田さんの奥様・薫子(しげこ)さんが作ってくださった昼食を頂きました。

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とにかくご覧ください!この美味しそうなお食事…!

発芽玄米のご飯、手作りの玄米味噌を使ったお味噌汁、地元の食材を使った優しい味のおかずの数々。

玄米好きの私にはたまりませんでした。

ちなみに、こちらのランチョンマットも手すき和紙で出来ています。

味があってとっても素敵です。

 

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お食事の後に、なんとデザートまでいただいてしまいました。

「蕨生」にかけて、わらび餅のパフェです♡

蕨生の新名物にしたいと、薫子さんが考案されたそうです。

優しい甘さの酒粕アイスと相性がバッチリで、ペロリと頂きました。

最高に美味しかったです…!!!

 

ちなみに…食事の前には、弊社の製品やプロジェクト作品(MOSHA-PRO)もご紹介しました。

和紙とプラスチックフィルム。素材は違えど、同じクラフトマン同士、ものづくり談義に花が咲きました。

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5.おわりに

 

千田さんご夫婦と初めてお会いし、素晴らしいご縁をいただくことが出来たと思いました。

お二人とも本当に素敵な方で、心が温かくなるようなご夫婦です。

伝統工芸を次の世代に繋ぐと同時に和紙の可能性を広げ、地域を元気にしたいという想いが強く伝わってきました。

微力ながら、弊社もその夢を応援したいと思います。

そして、千田さんご夫婦の「また来てください」というお言葉に甘えて、ぜひぜひまた訪問させていただきたいと思います♪

 

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『上から下まで丸っと和紙の部屋』にて記念に一枚(右から3人目が千田さん、右隣が薫子さん)

 

千田さん、薫子さん、本当にありがとうございました!



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